動画生成AIとは？無料ツール5選と活用事例・商用利用の注意点を解説！
生成AIには、さまざまな種類があるのをご存じですか？
ここ最近、生成AIの中でも特に注目されているのが、今回ご紹介する「動画生成AI」です。
簡単な操作のみで、初心者でもプロのような動画を作成できることで大きな注目を集めました。
この記事では、大注目の動画生成AIについて、その概要や活用事例、商用利用の注意点などについて詳しく解説していきます。
さらに、数ある動画生成AIの中でも特におすすめの無料で使える動画生成AIもご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
動画生成AIとは
動画生成AIとは、テキストや画像などの入力データを基に、AIが自動で動画を生成する技術のことです。
AIがデータに基づいて動画の構成や動き・BGMなどを自動で生成するため、専門知識やスキルがなくても高品質な動画を制作できる点が特徴です。
従来の動画制作は、撮影や編集といった大変な手間とコストが必要で限られた人しか制作できませんでしたが、動画生成AIの登場でその常識は覆されました。
生成AIの中でも動画分野のツール開発は難しいとされていましたが、Runwayの「Gen-3 Alpha」やOpenAIの「Sora」は、その驚異的なクオリティにより大きな注目を集めています。
これらのAIツールはより複雑なデータ処理を可能にし、高品質な動画生成を実現しています。
動画生成AIは、不自然な動きや物理法則を無視した内容などがたびたび指摘されますが、Gen-3やSoraの登場をきっかけにさらなる発展が期待される技術です。
動画生成AIでできること
動画生成AIは、大きく分けて以下の3つのことができます。
それぞれ詳しく解説していきます。
テキストから動画生成
テキスト指示（プロンプト）に基づき、AIがそれに沿った動画を生成します。
ユーザーは、シーンや動き・カメラの視点などの簡単な指示文（プロンプト）を入力するだけです。
最新の動画生成AIでは、細かい指示が必要ないものもあります。
たとえば、「青空の下で自転車を漕ぐ青年」というプロンプトを入力するだけで、AIが情景や動き、カメラワークなどを理解してリアルな動画を創り出します。
この技術を使えば、アイデアをすぐに映像化でき、様々なパターンを比較しながら効率的にコンテンツを制作することが可能です。
画像から動画生成
静止画像（イラストや写真）をもとに、動画を生成することも可能です。
基本的には複数枚の画像が必要ですが、「Pika Labs」や「Runway Gen-3」などの動画生成AIでは、たった1枚の画像から車が動いたりキャラクターが表情を変えたりするなどの短い動画を生成できます。
複数の画像を組み合わせることで、アニメーションのような動画も作成可能です。
動画生成AIを画像生成AIや音楽生成AIと組み合わせれば、プロが作るハイクオリティなMVも夢ではありません。
資料や記事から動画生成
ニュース記事やSNSの投稿、ブログなどから動画を生成することも可能です。
さらに、記事コンテンツだけでなくスポーツイベントの結果や統計データなど、テキストコンテンツであればどんなものでも動画に変換できます。
動画にしたいコンテンツのURLを与えると、テキスト内容に適したナレーションや映像、効果音やBGMまでもが自動で組み合わされた完成度の高い動画コンテンツが瞬時に完成します。
新商品紹介動画やサービス説明動画の制作、プレゼン動画の作成など、さまざまなビジネスシーンでの活用が期待できます！
動画生成AIの活用事例
動画生成AIは、その驚くべき技術と効率性でビジネスや教育、エンターテインメントなど様々なシーンで活用され始めています。
ここでは、主要な分野における動画生成AIの活用事例をご紹介します。
１つずつ見ていきましょう。
広告・マーケティング分野
動画生成AIを活用すれば、広告やマーケティング分野において短時間で大量の動画コンテンツを制作することが可能です。
例えば、以下のような動画を作るのに最適です。
企業が実際に動画生成AIを活用した事例をご紹介します。
国内外の企業で、動画生成AIを活用する動きが広がっているのがわかりますね。
教育分野
教育分野においても、動画生成AIの登場で効率的に質の高い教育コンテンツを制作することが可能になりました。
例えば、以下のようなコンテンツに活用できます。
動画の元となる画像や資料などにも生成AIを活用することで、効率的かつ説得力のある動画を短時間で制作することが可能です。
プレゼン資料といえばスライド形式が一般的ですが、動画生成AIを用いてプレゼン内容を動画にまとめることで、静止画や文字だけでは難しいリアルな視覚的情報を伝えることができます。
エンターテインメント分野
動画生成AIの活用は、エンターテイメント分野においても広がっています。
たとえば、以下のようなコンテンツに活用できます。
動画生成AIは表現の幅を広げるだけでなく、新たな表現方法を生み出す可能性を秘めています。
ユーザーを魅了するコンテンツを作成するための強力なツールとなるかもしれません！
報道分野
動画生成AIの活用で、報道分野においてはニュース映像制作の効率化が期待できます。
例えば、以下のようなコンテンツを制作する強力なサポートツールとなるでしょう。
難しい内容のニュースを分かりやすく伝える動画や、事件や事故現場の状況を再現した動画に動画生成AIを活用することで、より視聴者に伝わりやすい動画を短時間で制作できます。
その他の分野（医療・製造業・不動産）
上記以外にも様々な分野で動画生成AIは活用できます。
例えば以下のような分野です。
上記以外にもさまざまな分野で動画生成AIが活用されており、その可能性は日々広がっています。
今後、AI技術の更なる発展でより高度な動画生成が可能になるかもしれませんね！
無料の動画生成AIおすすめ5選と商用利用について
動画生成AIの多くは有料ですが、無料でハイクオリティな動画を生成できるツールもあります。
今回は、その中でも特におすすめの動画生成AIを5つご紹介します。
それぞれの特徴と商用利用について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Runway Gen-2
「Gen-2」は、Runwayが提供する動画生成AIです。
Runwayの最新モデルは「Gen-3 Alpha」ですが、無料で利用できるのは1つ前のモデルである「Gen-2」になります。
とはいえ、Gen-2でもテキスト・画像からクオリティの高い動画を生成できます。
最近では多くの企業が動画生成AIを開発していますが、その中でも特に動画の品質が高く、生成にかかる時間も1～2分程度と生成速度が速い点も特徴です。
また、背景の切り抜きや字幕追加などの細かい編集機能があり、思い通りの動画に仕上げることができます。
商用利用について
Runway Gen-2の商用利用については、Gen-2の無料プランの場合いくつかの制限があります。
以下は、Runwayの動画生成における禁止事項の一部です。
上記の内容を含むコンテンツの商用利用は認められていません。
Gen-2で生成した動画の商用利用を考えている方は、「Runway 利用規約」を必ず参照してください。
Pika
「Pika」は、スタンフォード大学とハーバード大学出身の女性エンジニア2名によって開発された動画生成AIです。
スタンフォード大学のAIに関する研究室の教授らをアドバイザーとして登用しており、最新技術を取り入れながらも使いやすいUIに根付いたサービス開発が特徴的です。
Pikaは、テキスト・画像だけでなく、動画をアップロードして動画を再生成することもできます。
他のツールと比較して動画編集機能はやや少なめですが、そこは今後のアップデートに期待しましょう。
商用利用について
Pikaの商用利用については、2024年1月の改定により無料版では商用利用不可となりました。
商用利用を考えている場合は、有料版のPROプランに登録する必要があります。
詳しくは「Pika 利用規約」を参照してください。
KLING
「KLING（クリング）」は、中国の人気動画アプリ「快手（Kuaishou）」の開発企業がリリースした動画生成AIです。
その性能は、動画生成AIの大御所であるLuma Dream MachineやRunway Gen-3に匹敵すると言われています。
物理法則に矛盾がない・動きに破綻がないなど、非常に高品質な動画を生成できる点が大きな特徴です。
動画の比率も設定変更ができるので、縦型動画などが生成できるのも使いやすいポイントですね。
ただし、無料版と有料版では動画の生成速度に差があり、無料版の場合は生成に数日かかることもあります。
商用利用について
KLINGの商用利用については、2025年2月時点では利用規約内にも商用利用に関しては特に明記されていません。
ただし、無料版の場合は動画にウォーターマークが付与されるので、方針が明らかにされていない時点では商用利用はしない方が無難ですね。
NoLang
「NoLang」は、東大発の生成AIスタートアップ「Mavericks」が開発した動画生成AIです。
動画制作の経験がないユーザーからプロフェッショナルまで幅広い層をターゲットにしており、とにかく誰でも使いやすいというのが最大の特徴です。
NoLangはテキストプロンプトを基に動画を生成するツールで、サイトURLや記事の内容、文章などを入力すると瞬時にテキスト内容を再現した動画が生成されます。
長文の記事や論文の要約を高速かつ高精度で生成できるので、ビジネス分野や教育分野など幅広いシーンで役立ちそうですね。
動画投稿に使えるアバターを用いた対話動画や縦型ショート動画、プロモーションビデオ、教育用コンテンツなど、さまざまな用途の動画を簡単に制作することができます。
商用利用について
NoLangの商用利用については、NoLang公式サイトのFAQに明記されているとおり、「動画ページのコピーライトをコピーして明記」することで商用利用が可能です。
ただし、Chrome拡張機能を利用したWebページの動画に関しては商用利用を控えるよう明記されているので注意してください。
Canva
世界中のユーザーに愛されているデザインツールの「Canva」にも、動画生成AIの機能があります。
CanvaのAI動画生成機能の中でも特に注目されているのが、Ruway Gen-2の「Text to video」です。
テキストを入力するだけでCanva AIが自動的に、関連する映像・画像・音楽を選定して組み合わせ、一つの完成された動画を作り出します。
非常にシンプルな操作で高品質な動画を生成できる点や、無料版でも豊富なテンプレート・素材を使えることが大きな特徴です。
プレゼン動画、教育コンテンツ、SNS用動画など幅広い用途に対応しており、その利便性と効果性で多くのユーザーから高い評価を受けています。
商用利用について
Canvaは、基本的に作成したデザインの商用利用を許可しています。
ただし、利用規約で定められたルールを守る必要があります。
たとえば、無料で使用できる素材やテンプレートは一部商用利用が制限されているものがあります。
また、商用利用の範囲を決められているなど複数のルールがあるので、詳しくはCanvaが公式に解説している記事を参照してください。
さいごに
動画生成AIは、革新的な技術を用いて高品質な動画を生成するAIツールです。
動画生成AIにできることは以下の3つです。
動画生成AIの多くは有料ですが、無料でもハイクオリティな動画を生成できます。
無料で使えるおすすめの動画生成AIは以下の5つです。
動画生成AIは、誰でも手軽にクオリティの高い動画を作れるということで非常に人気の生成AIです。
まだその技術は確立されたばかりなので、これからさらなる発展が期待できそうですね！
ぜひ無料の動画生成AIを試してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
